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ちょっと読んでみよう、と思った某海外ドラマの原作。
本国でベストセラー→ドラマ化した経緯のある青春群像劇。
時代は違えど、若い情熱は見てて(読んでて)楽しいですねえ。
『成均館儒生たちの日々(上)』
面白かった!
下巻は来月発売だそうで…。
一緒に出してくれりゃいいのに~。
というわけで、まだ上巻しか読めてないのですが、
感想というか、ちょっと語りたかったので。←おい
時代は日本で言えば江戸中~後期のあたり。
主人公は男装した二十歳の女の子。
「花ざかり~」のように、可愛いヒロインちゃんが男のふりをして男子校に入学、学園生活を送る話です。
でも、上記作のような「をとめちっく」な理由ではありません。
この子の家がめちゃくちゃ貧乏で、違法でもなんでもとにかく仕事をしないことには、親子三人(母・弟・自分)のたれ死にの可能性も。
しかも、弟は病気で長い間寝込んでいて、唯一の男手なのに働けない。
いろんな事情が重なって、もうこうなったら背に腹は代えられない!となり、弟の身分証明書で科挙を受験。
もちろんバレたら死罪。まさに命懸け。
しかし結果は見事合格!
でも、好成績すぎて王様から直々に「成均館」入学を命じられてしまう。
ぶっ倒れそうになるヒロインちゃん(笑)。
さんざん迷って悩んだ挙げ句、というか王命だからもう逆らえないんだけど、「成均館」入学を決意する。
ところで「成均館(ソンギュングァン)」とは。
李氏朝鮮時代に実在した当時の最高学府で、官僚を育てる国の学校。
大科(科挙のさらに上の試験)受験までの教育機関。
ここの学生「儒生(ユセン)」の意見が政治に影響を与えることもあったそうです。
科挙合格後は仕官するのが普通でしたが、希望を出せばここに入学するのもアリでした。
治外法権の成均館は、とにかくいろんな面で特例があり、国の法令なんかも免除されたりする部分があったらしいです。
もちろん女子禁制。
話を戻し。
ヒロインちゃんと寮で同室になる、良家の子息二人。
一人は、科挙受験時に出会い首席合格した二つ年上の同期の彼。
上巻が終わる頃には、何故かやたらと気になる存在の「彼(ヒロインちゃん)」に対する感情に自分の中でちょっと戸惑いつつあります。本人にはもちろん言えません。
「可愛い」とか思ってることを(笑)。
無意識というか本人は友情のつもりなんだろうけど、
「次の受験会場はどこですか?」とか「合格発表、来ますよね?」 とか聞いたりして
結構笑えるリアクションを最初からしていました。
会いたいんじゃん!早いな!(笑)
ていうか、すでに一次試験の段階でヒロインちゃんはこの彼を好きになっちゃうんだけどね。
この彼、実は宮廷最大派閥の先鋒をお父さんに持つ超名門の超秀才。
でも本人はいろいろ思うところがある様子…。
これは下巻になったらもう少しはっきりするかな。
もう一人は、三年先輩の暴れ馬というあだ名の優しいツンデレ。
この人の設定が、昔の少女マンガのヒーロー君みたい(笑)で
同期の彼とは正反対のタイプ。
この人のお父さんが、同期の彼のお父さんと対立する派閥のリーダーで、同室に来た新入生が「敵」だと知り大激怒。
のちのちヒロインちゃんを挟んで、同期の彼と恋敵になります。
でもドロドロしたものではなく、彼の人格とか考え方とか環境とかいろいろ知るうちに一目置くようになるらしいし、
結局はヒロインちゃんの気持ちを尊重して、一歩引いて大人な対応をするらしいので、そういう変化がちょっと楽しみ。
あとこの人。ちょっと地下活動(笑)もしていて、それはどうなるんだろう。
上巻の段階では会話の中にちょろっとしか登場しないある「存在」の正体なんですが。
ちなみに、この役をやった俳優さんのファンの方のブログに、
この先輩の最終的なエピソードが書いてあってちょっと笑った。
それも見届けたい(笑)。
もう一人重要な人がいるんだけど、この人は多分下巻のほうが活躍するでしょう。
でも、もしかしてつかず離れず傍観者のままの可能性もあるかな。
ヒロインちゃんとすれ違っただけで「女の子」と見抜き、でも違うのか?と疑い、とあるエピソードで「お前が男でよかった。」と言った女好きの先輩。
あ。でもこの先輩、新入生歓迎イベントでちょっとイジワルしたんだった。
悪い人じゃないんだけどね。
女の子かどうか確認したかっただけで。
その結果、ちゃんと「男として」課題をクリアしたヒロインちゃんについたあだ名が、だいぶ可哀想なんだけど「男の子の集団」っぽくて笑えた。
こういうラブコメ的なものって、私の中ではヒロインちゃんのキャラクターが結構重要。
ヒロインちゃんが、応援できるタイプなのかそうでもないタイプなのかで、続きが気になる度が違ってきます。
以前、主人公(女の子)の言動がどうにも好きになれず、
推理小説にもかかわらず途中で読むのを止めたというものがあります。
犯人、誰でもええわと思ったもん(笑)。あれはホントに珍しくイラっときた。
(しかもシリーズ物で三冊同時に購入したのに、結局一冊は開くこともせずブッ●オフ行)。
このヒロインちゃんは優しくて純粋で頑張り屋さん。
自分の無力を嘆くお母さんを励ましながら、経済的にも精神的にも一家を支えてる。
さらに度胸があり、貧しいけれど決して媚びない。
自分の方が立場が上とはいえ、ほぼ同年ぐらいの男の子ととっくみあいの喧嘩もします。
元気な子や。←病弱というふれこみはどうした(笑)
(↑このエピソードの時の、喧嘩相手に対する同室の男二人のリアクションも性格出てて面白かった。)
序盤でのヒロインちゃんのめげなさというか、けなげさになんだか泣けてきた。
最初と最後に出てくる本屋のご主人(受験するまではこの人に仕事をもらっていた)が、
苦労知らずのヤローども三人に語るヒロインちゃんの仕事ぶりにも切なくなるし、
それを心配するご主人もいいおじさんで。
自分の力だけではどうにもできない環境の中で、「同じ死ぬならやれることは全部やる!」
と覚悟を決めて受けた科挙
。
免疫のない男の集団の中でオロオロするのを見てるのは面白いけど、ほんとに早いとこ大科に合格して欲しい。
だけど、王様が入学を命令する経緯も、政治背景というか時代背景が絡んでるわけだから、うまいな~と思った。
あと、どういう決着をつけるのか気になるのが、女子二人。
ヒロインちゃんに恋する(若様だと思ってるから)妓生(日本でいうところの花魁みたいな人)と、同期の彼に昔から目をつけていた(と書くとちょっと語弊があるか?…)、良家の子女。
はっきり言ってヒロインちゃんと同期の彼はくっつくことがわかってるんだけど、そこまでの経緯と周りに対する結末の付け方が楽しみです。
政治的な絡み(調べたら結構ドロドロした時代背景)もあり、
学問への取り組みもあり、4人の友情がどう変化していくのか。
楽しみだけど、ふといま思ったことが…。
これホントに下巻でおさまるんだろうか…。
3月本屋に行ったら「中巻」だったりしたらびっくりするわ。
なにげに、「男装女子もの」を制覇しつつある私…。
だってうちの子たちも「役」を通して「男」を演じてるから、気にはなるのよ。
女優さんの化けっぷりが(笑)。
どんなもんなんじゃろう、と。
これ、そのうちまとめて書くかも(o^_^o)
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