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ぎけいき:偽りなく慶史の日記です
March / 29 Fri 21:23 ×
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August / 01 Mon 13:40 ×


文庫になるまで待とうと思っていました。

でも、ポップに負けました。

何に負けたって

「失礼ながら、そんなこともおわかりにならないとはお嬢様はアホでございますか。」

の一行。

完敗。
レジ行き決定。



東川篤哉
『謎解きはディナーのあとで』




推理物としては「ええ~!!」という程の驚きの部分がありませんでした。
「ああ、そうか。そうね。」っていうくらい。(偉そうに)

ただ、これの何が面白かったって「執事・影山」に尽きると思う。
外見は涼やかなこの執事。実はキャラがめちゃくちゃ濃い。

主人公は国立署に勤める宝生麗子さん。
可愛らしい女性なんですが、れっきとした刑事さん。

この麗子さん、実はお祖父様が大財閥の会長さんで広大な屋敷に住む筋金入りのお嬢様。

影山は麗子さん専属の執事兼運転手というお仕事に従事しています。

第一話で、麗子さん付きになって一か月ぐらいという記述があったので、わりと最近雇われた人なんですが
子どもの頃「プロ野球選手か探偵になりたかった。」という通り、探偵としての洞察力・推理力に優れた人。

自宅に帰ってきて現場での事を考えているお嬢様を上手いこと誘導して、事件を事細かに説明をさせる。

現場の様子。
遺体の状況。
第一発見者。
関係者の証言、などなど。

それらを総合して、影山は麗子さんに自分の考えを述べる。
そして、的確に犯人を探り当てていく。

ちょっと変形の安楽椅子探偵。


でも毒舌。そして腹黒。
自分が仕えているお嬢様を正面切ってこき下ろす。
しかも「しれっ」と。

それがポップにあった上記の一文。

真相を語り始める前に必ずこうしてお嬢様を小馬鹿にする。
ていうか、常になんだかんだと「アンタお嬢様を敬ってないよね。」という言動をする影山。

麗子さん自身は、お嬢様なんだけど
自分が大富豪の娘であることを職場にはひた隠しにしているし、
一般常識を持ち合わせた常識人。
自分の立場と仕事を弁えた社会人。

だから、「お嬢様はアホでございますか。」と言われたり、
「お嬢様の目は節穴でございますか。」と言われたりして
激怒はするんだけど、自分のプライドよりも事件解決を優先するため、
結局は影山をクビにできずじまい(笑)。


麗子さんと影山の、「ボケとツッコミ」というよりも「腹黒にツッコミ」な会話が面白かった。

言葉選びが上手いなあ、と。

大型激安量販店とかシアトル系カフェチェーンを
「ドンキホーテ」でも「スターバックス」でもなく、普通に会話に出てくるように
「ドンキ」「スタバ」と表現したのもちょっとびっくりした。

それやっていいんだ(笑)。



この本で、もう一人メインキャラがいまして。

麗子さんの上司で風祭警部という人。

デザイン重視・燃費無視、エコ?なんですかそれ?っていう車を製造販売している
「風祭モータース」というところの御曹司で、
事件現場にシルバーメタリックのスポーツカーで乗り付け、
ブランド物のスーツを着用した「ボク、お金持ちです。」と触れ回っているような人。
本当は麗子さんの家のが何倍もデカいんだけど。

でも、この人アホなんだよなあ。
微妙にセクハラするし、腹立つ人ではあるんだけど、憎めない。

アホだから。

こんな人が何故警部にまで昇進できたのか謎ではあるんだけど。

アホなのに。


口には出さないけど、麗子さんはこの上司に常に心の中で突っ込んでます。
こっちは「ボケとツッコミ」ってかんじ。

がんばれ。麗子さん。(笑)




続編みたいのはまだ無いみたいなので、出るとしたらまたずっと先かなあ。

事件がどうこうよりも、影山と麗子さんの会話が楽しいので出て欲しい。

この人の他のシリーズも読んでみよう♪






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