昨日、無事(?)act.13が終了いたしました。
ご来場いただきましたお客様方に心から感謝を申し上げます。
細かいハプニングの連続でしたが、大きなトラブルなく終えられたことに安堵しています。
いつものように袖に待機する予定でしたが、先月引いた風邪から何週間も咳が止まらず、袖にいたのでは客席に聞こえてしまうと判断し楽屋に引っ込んで音だけ聞いていました。
あ、病院には行ってきます。(←と言っとかないとまたのらりくらりと避けてしまう)
今回は初の再演と言うことで、キャストも緊張したと思いますが私ももちろん緊張していました。
私自身の成長を問われているようで。
7年前、わけもわからず見よう見まねで造った「伝達人形」がこんな形で生まれ変わるとは思いもよりませんでした。
話し合いの末、演目が決まったとき
「書き直させてくれ。」
と言い出したのは私です。
初演でできなかった、「何も知らない兄」を「女の子の人形」に入れるという形をどうしても取ってみたかった。
それは単なる私のこだわりなのかと思った部分もありました。
でも、メンバーはあっさり「いいよ。」と言ってくれて、ちまちまと2~3週間で仕上げました。
「兄」の二人に共通認識として提示したモデル人物もとても魅力的な人なので、二人が徐々にその人物に似た行動をするようになるのが見ていて楽しかったです。
普段の行動もちょっと彷彿とさせるものがちょこちょこ出てきてそれもまた笑えた。
ていうか、普段は似なくてよかったんだけど(笑)。
その真逆のキャラクターとして設定した「涼」とその人形の「風夢」。
涼くんはとにかく4月までは身動きが取れないことがわかっていたので、なるべく出番が少ない役を。
じゃあ、それが入る入れ物は涼くんとは逆タイプの容姿の子を。
ごましか居ません。
「本人と共通事項のある人物は避ける。」
というものが頭にあるので、背の高さ、体格、声質、と考えるとつかさや那智や理晞よりもごまが適任だと思いました。
初演の設定からすると、「黙秘した弟」はごまでも全然よかったんです。
でも、兄と弟は初演よりも「男兄弟」の雰囲気を強くしたかったし、感情を瞬間的に爆発させるのは理晞の方が向いてるかなと思ったので。
今回の「兄」は初演よりも、明るくてパワフルな人物。
だったらそれの「弟」は兄を反面教師にして育った対照的な人物にしようと思いました。
だから台本上の弟はかなり理性的な人物として書きましたが。
結果はご覧のシーサーになりました(笑)。
となると残るのは「審問官」と「事務官」。
当初、「こんなキャストで行こうと思ってるんだよ~。」とメンバーに話したときは、「審問官」が那智で、「事務官」がつかさでした。
でも、書き始める直前、
そのパワーバランスが普通すぎることがどうにも気になって。
「入れ換えたれ。」
と思いました。
年下が上司という屈辱。
エリート意識。
現代社会で普通にありえることをデフォルメして作ってもらいました。
稽古中つかさに
「つーさん、ヤな人になってるよ。」
と言ったら
「ひどいです~~。」
と返されました。
誉めたのに。なにさ。
はっきり言って「事務官」はどうとでも作れる人物です。
台本を読んだだけではこの「事務官」がどんな経歴の人でどんな性格の人なのかよくわからないと思います。
だったら、理論的に物事を考えることができるんだけど想像力豊かな(←この人の場合妄想力とも言う・笑)那智の方がいいだろうと思ったのです。
と、つらつらとキャスティング事情なんかも暴露してみました。
今回は、いろんな面で今までと違う部分が多くて、反省点が多数残りました。
チケットのこと。
客席のこと。
空調のこと。
スタッフのこと。
稽古のこと。
本当にたくさんあって、どれがなにやらで昨日から頭の中がぐるぐるしている状態。
打ち上げはいっぱい笑って食べて一人の話を全員で聞いて慎ましく終了しましたが、疲れて眠い中でも微妙に神妙な空気もあって。
まだまだ。まだまだ。
と、みんなが思ったと思います。
次に向けての動きがすでに始まっていますが、今はなによりも。
いつも手伝ってくれるスタッフ。
アポロシアターの皆さま。
足しげく稽古場まで来てくださるカメラマン様。
梅雨明け直後の猛暑をおそった名古屋にお越し下ったお客様方に、
心からの感謝を述べたいと思います。
本当に、本当に有り難うございました。
作・演出 慶史
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