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ぎけいき:偽りなく慶史の日記です
October / 19 Thu 18:19 ×
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March / 28 Mon 20:02 ×

数々の出版物が震災の影響で遅れています。
これもそうだと思っていました。

確かに調べた日付よりは遅れました。
でも一日だけでした。

すごい!
一週間ぐらいかなと思っていたのに。



とりあえず、完結はしました。
でもすごく気になる終わり方でした。

朗報は、続編もちゃんと出るということ。

よかったよかった。


「成均館儒生たちの日々(下)」


突然ですが「あだ名」の話。
現代にもありますが、それは相手を身近に感じるためのものだと思います。
あるいは言いにくい(長い)のを縮めたりとか。

でも、この頃はちょっと違う。

名前=命と同等。

中国もそうですが、本名をあんまり連呼しないんだそうです。
不敬にあたるそうで。

例えば三国志。(←今レンタルで見てる)

劉備(玄徳)。
字幕でこう表記されています。
「劉」が名字で「備」が名前。
字(あざな)、つまり名前とは別につけられた「呼び名」が「玄徳」。
昔、これの意味が理解できず
「あざなってなんじゃい。」
と思っていましたが解れば納得でした。

彼らにもあだ名「号」があります。

「ヒロインちゃん」「同期の彼」などと
書くのがめんどくさくなってきた(←おい)ので
もうあだ名で書いちゃいます。

ヒロインちゃん=テムル
同期の彼=カラン
同室の先輩=コロ
隣室の先輩=ヨリム

なんでそんなあだ名になったかっていうのを堂々と説明できるのは、
「カラン(漢字表記:「佳郎」)」のみでしょう。
あとの三人はコロ曰く「卑猥」なので。
でも「コロ」はいいんでは…?まあいいや。

上巻は
・小科(科挙の一次・二次試験)
・入寮
・授業開始
と大きく分けると三つの出来事がありました。
あとキャラクター把握と。

下巻は四つ。
そのためか、より疾走感がありました。

・運動会(←本当にあったらしい)
・告白
・「落書犯」顛末
・大科(科挙の三次・四次・五次試験)受験。



まず運動会。さすが男子の集団。
ほぼ喧嘩のラフプレーと過剰防衛。
そりゃ、けが人出るって。
でも、ほとんどが普段本ばかり読んでるから、体力がない(笑)。


このあたりからカランが気持ちを押さえられなくなってて、
約1ページにわたって綴られた彼の心情が本当に切なかった。

同性愛が死罪とされていた時代。
運がよくてもその制裁は社会的抹殺。


テムルを貶めたくないのに。
成均館を出た後もずっと一緒にいたいのに。
だから良家のお嬢様と、彼女の申し入れを受け入れて文通をしたのに。

本当の女性とお付き合いすればこの気持ちは消えると思っていた。
ところが反対に自分の気持ちを再確認するだけだった。

我慢して我慢して我慢して。
言いたくても言えなくて。
相談できる人も居なくて。

ずっっっっと一人で苦しんでたのかと思うと泣けてきた。

よく考えたら、これまであんまりカランの心情に深く触れられてこなかったように思います。

が。
涼しげな顔の下でずっと悩んで考えてたことが、ここへきて発覚。

家柄がいい、頭がいい、公正で礼儀正しくて冷静で、とにかく完璧!と周囲が褒め称える彼が、本当に気の毒になってきました。

相手が女性であれば、百戦錬磨のヨリムに相談もできたのに。
誰にも心を開けないカラン。


唯一心を開いている「彼」に、彼は恋をしました。


季節は盛夏。

やがて爆発した感情。
夕立の中での告白。

カランは「男」に抱いた恋心を。
テムルは自分が「女」であることを。

てか、早(笑)!
びっくりしたわ!
そうなっちゃう?

そこからのカランの「デレ」っぷりが笑えた。

いろいろごまかすためかもしれないけど、ヨリムが持ってきた春画本を真面目な顔(←ポイント)して、
「なるほど」とか
「全部可能なんですか?」とか
言いながら読んでるあんたが可笑しいわ。
後でテムルに怒られて凹んでるし。なにやってんの(笑)。

ラブラブも束の間。
「落書犯」騒動が勃発。

神出鬼没の「落書犯」。
貴族の偉いさんに言いたくても言えない批判を、洒落た文章で書きつづり、その批判されている当人の屋敷に貼って消えるこの「犯人」は、清廉な理想を抱く若者達、なにかと見下される庶民達には「ヒーロー」で痛快な存在でした。

実はこの「落書犯」の正体はコロ。

乱暴な言葉遣い。不遜な態度。
一度出かけたらいつ帰ってくるかわからない。
授業も出たり出なかったり。
問題児だけど良家の子息で入学時は主席。
成均館内でも「文筆家」と名高い彼の筆跡は、
見かけとは似ても似つかず女性のように流麗で美しい。

動物的な勘で、可愛いテムルの顔を殴った下級生を割り出し、
同じく動物的な勘で、突然開かれる寮の集まりもトンズラをこく。

外出時、いつも腰にぶら下げている酒瓶。
なのにお酒の匂いが全くしない先輩。

コロも「彼」に恋をしました。

でももう遅すぎた。
だって、「彼」は昨年夏の小科受験で彼を好きになってしまったから。

「彼」が「彼女」だと知ったのはやっぱりコロが最初でした。
不器用な優しさが裏目に出ちゃったね。

この落書犯顛末が終わって、
みんなで飲んでるとき彼はぽつっと言いました。

「こいつ(カラン)を抹殺すれば、一石三鳥だったのに…。」

本音は本音なんだけど。

「落書犯」の正体を誰よりも知っている自分が、政敵とはいえ潔白の彼を放っておけなくて。

濡れ衣をきせられたカランを助けるため、最も軽蔑する「汚い政治家」の父親に頭を下げに行く。

傷一つなく帰ってきたカランを抱きしめ
「ありがとう。無事で。」と言ったコロ。

でも、カランは可愛いテムルの想い人。

今更自分が「彼女」をどう思ってるかなんて本人には言えなくて。
女だと知っているとも言えなくて。
助けた「後輩」は恋敵。
そんなことヨリムにも言えなくて。
(でもヨリムにはバレてるけどね・笑)

泣かせたくない。
危ないことはしてほしくない。
いつも笑っていてほしい。
カランと二人きりになんて絶対にさせてやらない!

ちょっとは邪魔するけど、
ただただ「見守る」こと。

彼に残された道はそれしかありませんでした。

この先輩の寂しさやどこへも行けない気持ちを
なにげに紛らわせてくれたのが、ヨリム。

予想どおり大活躍!
いろんな意味で(笑)

はっきり書かれてなかったけど、
たぶんこの人、カランに文通を申し込んだ、
良家のお嬢様が好きなんだと思います。

実家には、物心ついたときには家に居て小さい頃は「姉」だと思っていたという、三歳上の「妻」がいるんですが(笑)。

コロが「落書犯」だと
儒生の中で一番最初に気づいたのもこの人でした。


三年間一緒にいて、机を並べて勉強した。
彼の筆跡も文章も、たくさん見た。
いつ出かけて、いつ帰ってきていたか。
そして「落書犯」の出没する時間帯と消えた場所。
なによりも、コロのその優れた身体能力。

数学が得意な人なので、頭の回転は速いんです。

運動は苦手だけど。(←運動会女の子のテムルより役立たず・笑)
どんなに目立ってはいけない時でも、お洒落は止められない人だけど。
女性が大好きで、恥ずかしいあだ名をつけまくる人だけど。
本心が、本当にわからない謎な人だけど。

教官も先輩も手に負えない乱暴者の同期が、誰よりも大事な友人だから。
その友人と同室になった優秀な二人の後輩も、やはり失いたくない存在で。

彼らと別れたくないから。
生涯続くであろう関係を維持したいから。



四人はそれぞれの理由を胸に、大科を受験。

受かりました。


よかったねえ~~~!!!

しかも全員好成績。
一人ぐらいは落ちるんじゃないかと思ったんだけど(笑)。


さらにこの試験で人生が思わぬ方向に変わった人が。


ヒロイン「テムル」嬢。


この子の「落書犯」事件の時に切ったタンカが素晴らしかった。

一度腹を決めると女は強い。

それを証明しています。
「テムル」の漢字表記は「大物」。
見かけによらず大胆で度胸のいいヒロイン。

震えながら「卑怯者になりたくないから。」と運動会に参加し、
将来に悔いを残さないためにカランとの時間を求め、
カラン・コロを救うためにヨリムと共に奔走し、
三人に置いていかれる恐怖から、勉強に打ち込んだ。

彼女の行動に常に伴う「別れ」。

女である自分ができるのは、弟の名前で試験を受けること。
その先の未来は、同じ派閥で家柄の釣り合う
顔も見たことのない人のところへお嫁に行き、
子供を産んで育てること。

成均館での出来事は「夢」。
大好きだけどカランとの将来を考えるなどあり得ない。

何かと助けてくれたコロにもヨリムにももう会えない。
少しでも長く一緒にいたいのに。
隣にいられるのは大科合格まで。

その結果が出た瞬間、彼女は泣き崩れました。
嬉しくて、ではなく、別れが来たことを悟って。


自分の彼女がそんなことを考えているとはつゆ知らず(笑)。

実はカラン、この試験の上位3人に入ったら心に決めた恋人との結婚を許して欲しいと、両親に願い出ていました。

試験合格・順位発表まで本人は口をつぐんでいたんだけど、
読んでる側からしてみたら、なんか約束を実家でしてきたな、とは思いました。
それぐらい態度が急変したので。

そこまでして勉強する理由がわからない
テムル・コロ・ヨリムを尻目に、勉強に没頭するカラン。

親にしてみれば、せっかく狙っていた相手との縁談が持ち上がったのに、
頑固で堅物だけど自慢の息子がそんなこと言い出すとは思いもよらず、
相手は誰かと聞いてみれば政敵の家の令嬢だと言う。
おまけに超貧乏。

結果、お母さんは変装して
息子の恋人を見に行きました(笑)。

もう出てきた時にわかりました。
絶対、カランのお母さんだって。

このお母さんも可笑しいわ。
時代劇を見てるとたまに出てくる、男らしい奥方。
つか、このお母さん素敵。
テムル可愛がってもらえるよきっと。

そして必要以上に仲良くなって、旦那達を放っときそう。
そして嫁に頭の上がらない夫二人。ちょっと可哀相。

お父さんもちらっと出てきたけど、
なんであのお父さんとこのお母さんの子が
あんな堅物になったやら…。



(続く)


※この「完結」シリーズ長いです。
長過ぎます。

その理由は、次の「弐」の終わりに書きましたが、読むのがめんどくさかったら止めちゃってくださいね。
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