やべえ。
5月、1回も日記書いてない(^_^;)。
なんとなく1ヶ月に1回は書こうと決めているので。
簡単につい最近読んだ物を振り返ってみます。
万城目 学
『プリンセストヨトミ』
先週ずっと、堤さん、綾瀬はるかちゃん、岡田将生くんがさんざんいろんな番組に出てたから、あらすじは聞いた人も多いと思います。
ただ、原作は綾瀬はるかちゃんの役と岡田将生くんの役の性別が逆転しています。
本当は綾瀬はるかちゃんの「鳥居さん」はアラサーの小太りな男性。
岡田くんの「旭」は身長180センチ強のハーフの女性。
この堤さん率いる「会計検査」チームと、中井貴一さん率いる「大阪国」チームの接点がなかなか出てこなくてずっと二元進行していました。
「大阪国」のメインは映画ではどうかわかりませんが、原作は中井さんの役の息子・大輔くんメインで進んでいきます。
この子がねえ。
不思議な子なんですよ。
多分性同一性障害なんだろうけど、椿●彩●さんみたいに、完全に女の子になりたいっていう切実なものがそこまで感じられないんです。
最初はただ単に女の子の格好がしたいだけなのかな?と思ったんだけど、上級生にボコボコにやられてもセーラー服の通学は止めないし、お父さんに「ちゃんとした格好に着替えろ。」と言われてやっぱりセーラー服にしたってことは、結局「男である自分」に違和感を感じているっていうことなんだろうなと思ったんだけど。
でも、なあ。
なんだろう。
上級生に髪の毛無理矢理切られた後←たいして長かったわけでもない、選択した髪型は坊主だし(カツラという選択肢が全く出てこない)、普段着だってスカートを履きたいと思っているようにも見えない。
女の子って細かいところにこだわるけど、そういう様子も見えないし。
最終章で旭に「女の子として生きていくんでしょ?」って言われていたけど、言葉遣いや行動が女の子っぽいわけでもないし…。
どうしたいのか、いまいちわかりませんでした。
なんでこの子がこういう設定になったんだろう、と読んでいてず~っと思ってました。
そんな大輔くんの、人情派な幼なじみの女の子・茶子ちゃん。
この子はよかった!
万城目作品に必ずいる「オトコマエな女子」。
名字は「橋場」。=「羽柴」
フルネームが出た時点で、あ!と思いましたよ♪
ちなみに大輔くんの名字は「真田」。
関ヶ原で最後まで豊臣家のために戦った家ですよね。
この大阪国と会計検査院の対立構造がはっきりとわかるまで、なんで松平さん(堤さん)はこんなにもやっきになって秘密を暴こうとしているのかわかりませんでした。
一言で言えば、税金の使い道の問題だったんですが。
「あをによし」や「ホルモー」は、続きが、気になる~って思いながら読んでたけど、これはそうでもなかったんですよねえ…。
スケールが小さいワケではないんですよ。
クライマックスは大阪城に数千人のおじさん(笑)たちが一同に会するわけですから。
だた、そこに行き着くまでが妙に長く感じられ、また収束の仕方も「そんだけ?」と思いました。
万城目さんのものはこれで四作目ですが、
私的ランキングでは四位です。
昨年読んだ「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」のほうが面白かった。
最後は、ちょっと視点を変えまして。
「鹿男あをによし」・「鴨川ホルモー」・「プリンセストヨトミ」に共通するといえば。
頼りない主人公。
ストーリーが進むにつれ、自分で感じ考え導き出した答えに「信念」を感じます。
ついこの前、●HKで「100分de名著」という番組を見たのですが、孔子の「論語」をやっていてそのテキストを本屋で見つけたので買って読んでみました。
そこにはやはり「自分を信じなさい。」「正しいと分かっていながらやらないのは臆病者だよ。」という孔子の言葉がありました。
万城目さんの書く主人公ははっきり言ってへなちょこです。
そのくせ妙に頑固で打たれ強い。
一時ヘコんでも、時間がかかったとしても起き上がります。
決して誰かをないがしろにしたりしないし、自分がひどい目にあっても誰かを恨むとかひねくれるとかしない、ある意味「お人好し」な人が多いと思います。
でもそういう人たちだからこそ、読んでいる方は応援できるし乗り越えた彼らを尊敬できる。
誰かを蹴落としてはい上がるのではなく、自分で傷を修復して立ち上がる。
ふ~む。
まだまだ修行が足りんなあ自分。
と思うこの頃でございます。
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