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ぎけいき:偽りなく慶史の日記です
April / 25 Thu 04:05 ×
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April / 18 Mon 23:11 ×
三人で抜け出した夜。
流星群の夜。
高台でビニールシートに寝転がった。




それは、両親が殺された夜。



長男12歳。
次男10歳。
長女6歳。






文庫になるのを、待っていました!


発売直後にドラマ化が決定したという作品。

大好きなクドカン脚本。

もちろん見てましたとも。





東野圭吾

『流星の絆』




横須賀の洋食店「アリアケ」で、店主夫婦が殺される事件が発生。

警察は強盗殺人事件とし、遺留品と思われる傘を調べるが指紋は残されていなかった。

その家には小学生の3人の兄妹がいた。
事件発生時、子供達は流星群を見ようと家をこっそり抜け出していたが、帰宅時に次男が犯人を目撃したため、似顔絵が作られた。

しかし、犯人逮捕には至らず時間は流れ、時効目前となってしまう。


「両親の仇を討つ。」


そう誓った3人は、詐欺師になっていた。






ドラマ化に当たって、犯人を変えたという話をテレビ雑誌で見たように思いましたが。



同じでした。



なんだよ、デマか(笑)。




話の流れ、仕掛け、意外な人物からの協力の申し入れ。

全部原作通り。


ただ、末っ子・静奈の連れ子発覚エピソードがドラマで加えられたようでした。

確かに原作のシーちゃん、いつの間にか自分が兄ちゃん達と血が繋がってないって知ってた気がする。

戸籍調べたらすぐわかる事ではあるけど、それを知った警察が功一(長男)に言うところも、静奈本人に知らせたところも出てこないまま、静奈は「矢崎静奈」を名乗っている。

ちょっと、あれ?と思いました。


でもよく考えると、施設に行くときとか、転校するときとか知らされるチャンスはいくらでもあるな、と。


功一は覚えてたかもしれないし。
母さんと静奈が来た頃を。




あと、泰輔(次男)が、静奈を(女の子として)好き、なの? もしかして、功一も? 的な空気が全くなかった。

ドラマではあったんだけど。


中盤あたりで泰輔が、静奈がターゲットに本気で惚れてると知り、寂しそうな顔をしてたんだけどあれも脚色のようです。

あの時の功一、というより二宮くんの演技に「おぅ」(←伝わりにくい)と思ったんだけどなあ。

原作は二人とも「お兄ちゃん」でした。




なにげにこの人一番スゴイ人なんじゃないかと思うのが、3人がこれを最後に足を洗おうと定めた人物、そして、両親を殺したと思われる男の息子である人物。

静奈の恋の相手。



戸神行成



ドラマでは、要潤氏が演じていて相当面白かった。

ていうか、さすがクドカン脚本。
ちょっとオカシイ人だったように記憶しています(笑)。


静奈の前では、しっかりしてるようでちょっと抜けてて育ちの良さ全開の仕事熱心な男なのに…。
功一の前では、最初はハヤシライスの相談をしにきてたのに、だんだん女の子(静奈)の事でグズグズ悩んでるめんどくさいヤツになっていきました(笑)。


原作の行成は、もちろん静奈との会話がメインなので、ちょっと不器用だけど誠実で真面目で凄く賢い人物。

静奈の事もこれっぽっちも疑わず、仕事の為に連絡を取るうちにいつの間にか本気で好きになってしまう。


この人が終盤、イイ仕事するんですよねぇ。



なにげに一番オイシイ役だと思います。







犯人はやっぱりアノ人で、動機も事件の日の行動も、重要アイテムも同じでした。


ラスト近く、泰輔が言いました。

「子供のためとはいえ、金目当てで両親を殺した事は許せない。そんな汚い金だから、子供は助からなかったんだ。」



心臓病を患う息子のために、手術代のために夫婦を殺した。

でも、その金で手術した息子は助からなかった。


犯人にも解っていた。


そんなおぞましいお金で助かっても誰も喜ばない事を。



だから、選んだ道。




でも、それが卑怯だと思うのは私だけかな?


15年間苦しんだ。


でも、それはアンタだけじゃない。


まだ小学生で世間に放り出された3人はどうなる。


いきなり、両親が死んで。

功一は事件直後の現場を見た。
凶器が両親に刺さっているのを見たのだ。
警察を呼んだのも、功一だ。


泰輔は家から出て来た見知らぬ大人の顔を見た。
自分の記憶が事件の手掛かりになると知らされたのだ。


静奈は最初騙された。
すぐに本当の事を功一が教えてくれたが、泣き叫んだ。
当たり前だ。まだ1年生なんだから。




犯人はこれらの光景をすぐ近くで見ていた。


それでも15年間黙り続けた。


この人は、4人の子供を奈落に突き落としたのだ。


それは、どんな理由であろうと許される事ではない。



償うべきだった。





しかし、ドラマの犯人は原作と同じ道を辿らなかったような気が…。



反対にきちんと「償い」を選択する兄弟。

ドラマでこの展開を見た時、「え?なんで?」と思ったんだけど、よく考えたらこの子達、詐欺師なんだよね。
終盤の犯人追い詰める展開で忘れてたけど。

原作は、功一が静奈を行成に托したところまでだったけど、ドラマは功一が出所した後日談が加えられていました。

嵐の歌う主題歌のように


きみといつか
空に描いた未来


を歩き出したところでエンド。

キレイに終わりました。






ギャンブル好きだった父。

不倫の末認知されない子を産んだ母。

他店のレシピを買い、結局その味が人気店としての看板メニューになってしまった戸神・父。

何人もの男を罪悪感もなく、騙し続けた静奈。

静奈が騙した男から、いろんな人物に化けて金を受け取る役割の泰輔。

それらの指揮官であり参謀である功一。


とんでもないものから、自分で選んだ道まで。


誰かを不幸にしたこれらのひとたちは、何らかの報いを受けました。




『因果応報』





読了後、そんな言葉が浮かびました。





ちなみに。

全編にわりと万遍なく出てくる、騙しターゲットがいるんだけど、ドラマより原作のほうがちょっとキモい印象でした。

ドラマでは桐谷健太くんがやってたんだけど。

描写ではあんなにスラッとした人ではなかった(笑)。


まあ、戸田恵梨香ちゃんと並んだときいかにも「金目当てです」的なビジュアルだと面白くないからかなあ、と思ったりもしました。

でも、桐谷くん自体があんまりイケメンの役をやらないけどね(笑)。

イケメンの部類に入る人だと思うけどなあ。

基本、なんかヘンな人であるほうが多い。

面白い俳優さんだと思います。


あと、結構重要な役割の若手刑事さん。
ドラマはバナナマンの設楽さんがやってたんだけど、なんで設楽さんだったんだろう。


読んだ感じだと、わりと刑事刑事した刑事さん(←わかる?この表現)っぽかったけどな。

その辺は変えたのかもしれないですね。





やっぱDVD買おうかな。

日本のドラマで唯一持ってるのも、やっぱりクドカン脚本なんだよね。






あ。

この日記のタイトルがなんで「二四」かっていうと。



この文庫の厚さが、24ミリだったからです。


手に取ったとき、この厚さに一瞬怯んだ。

でも、「負けるもんか」←何に と思った(笑)。

結果、わりとサクッ読めましたよー。













面白かったけど。

「容疑者~」ほどのインパクトはなかったなあ…。


順番でいくと、そろそろガリレオシリーズのアレも出る頃だと思うので。


楽しみにしたいと思います。
o(^ω^)o
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